音素配列

音節の構造

フュトルでは、子音・母音が必ず交互に配列され、通常は開音節の連続のみが許されます。すなわち子音を C、半母音を S、母音を V とした時に、一つの音節には

V | CV | CSV | SV

の構造のみが適格となります。ただし、これには二つ例外があります。

一つは、一部の機能語によって重子音が形成されることがあります。重子音で始まる音節は開音節性を崩さないため、ここでは上の図の C に包摂することとします。なお重子音以外の子音クラスタは存在しません。

もう一つは、節末に限り子音である末尾要素 F が付加されることがあります。

VF | CVF | CSVF | SVF

末尾要素の内容は音素の構成の項を参照してください。

半母音の吸収

フュトルでは子音の後、母音の前の位置に半母音が立つことができますが、半母音には硬口蓋・平唇性の j、硬口蓋・円唇性の y、軟口蓋・平唇性の ý、軟口蓋・円唇性の v があります。これらはそれぞれ近い性質を持つ母音に隣接すると同化して聞こえなくなるため、存在することができません。このような条件下では半母音が吸収されるといいます。

半母音が吸収される条件
半母音母音
ji
yu
ýo
vö

母音による吸収とは異なりますが、半母音の項で説明した通り、yhy を、それ以外の硬口蓋音系の子音は j の音色を内在的に持っているとみなされるため、重ねてその半母音と隣接することはありません。