照応と一致の機構

束縛と照応

一度使用した語句を後に再度指し示すためのしくみとして、束縛子照応子を利用した照応機構が存在します。

束縛子は語の後ろに付く接語であり、接続する語との境界に特別に二重子音が構成されます。束縛子は再度用いられるまで接続した語に束縛されます。 照応子はあらかじめ束縛された語を指示するために用います。この時、語の形態変化は一切無視され、原形として扱われるので、形態変化を付与したい場合は照応子を変化させる必要があります。

束縛子・照応子ともに 8 種類(第一第八)存在し、原則として第一束縛子から順に使用されます。 他の言語の指示詞のように、束縛子に特定の意味が結びついているということは特にありません。ただし第八束縛子の用法については、用法の項目を参照してください。 束縛子は使用されるたびに前接する語に束縛され、前に使用された語との束縛は解除されます。

束縛子の意味論

束縛子が語に付く時、その語が指示する個別の対象に束縛される場合と、その語形に束縛される場合があります。 どちらかであるかは文脈によって決まります。

動的実現子の一致

動的実現子はそれ自体意味を持たない 8 種類の実現子です。 動的実現子は多くの場合、ある節の中の存在項以外の場所に出現します。同じ動的実現子が出現する項は、互いに同一の環境(時間・空間・外延など)を指すこととなります。 これによって、複数の節の間の関係を明示する役割を果たし、長い記述が必要な状況をフュトルの節の連続によって描写することができるようになります。

動的実現子も同様に、それぞれの実現子に特定の意味は割り当てられておらず、通常は文章の中で出現した順に使われます。