冠詞の率いる句

冠詞句の構造

フュトルにおける冠詞および補冠詞は補文マーカーです。 冠詞句は、冠詞から始まり、補冠詞で終わる構文で、中に句以上の任意の大きさの内容を含むことができます。 冠詞句は通常の句と同様に格や制といったパラダイムを持ち、その標示は先頭の冠詞が担います。 状況によっては補冠詞を省略することができます。

冠詞句と音韻上の節

冠詞の後、および補冠詞の前で音韻上の節が切断されます。 通常、音素の構成は節単位で行われ、その中では連続した音母列とみなされますが、冠詞句がある場合はその部分で途絶えます。 したがって、構成は[節頭――冠詞] [冠詞句の内容] [補冠詞――節末]で節が分かれているかのように別々に行われます。 節内に冠詞句が複数ある場合、また冠詞句の中に冠詞句が含まれている場合も都度切断されます。

補冠詞が省略されたとしても、音韻上の節の切れ目は維持されます。

固結詞を従える冠詞句

固結詞は内容語でありながら形態変化をしません。 そのため変化形を示すために冠詞句を形成します。これを特に固結句と呼びます。

固結句の形成は形態変化を補うためなので、当該単語が基本形の時には冠詞を省略することができます。 ただし固結句自体は存在しているとみなされるので、冠詞を省略しても音韻上の節の切れ目は残ります

補冠詞の省略

(まだ)